鋳心工房 アルミクツベラ S・M・I
デザインの意図
 やわらかさ、やさしさを形に表現し、金属のあたたかみが出るように考慮。リサイクルアルミ材を使うことによりモノの大切さ再生の哲学を使い手に理解してもらう。さらに生なりのアルミ材をつかったクツベラは、毎日使いながら自分のものにしていく、使い込んだ文化の考え方をデザインに加えた。

造形、色彩上のポイント
 丸みのある有機的な形を意識し、手の内に納まるやさしい造形を心がけた。色は生なりのアルミの銀色、アルマイト加工を施していないため、磨き布で拭くことによってまた銀色の光沢をかもし出す。

技術上のポイント

 砂型鋳物でつくられている。バフにてこのように光沢を出す仕上げは全て手仕事のため、形がくずれやすい。今回のクツベラのように形を美しく保ち仕上げることは極めて高度な手仕事が必要とされる。

使用者等への配慮(安全性、利便性、快適性等)

 アルミによるアルツハイマー病へのかかわりが一部指摘されているが、このように直接食の部分とかかわりのない用途については全く問題がない。生なりのアルミ材を使っているため、時間と共に磨くことにより、新たな価値が生まれていく楽しみが、内在している。環境保全に参加しているという気持ちも得られる。

社会への配慮(地球環境等への配慮)

 再生アルミは、ボーキサイトからピュアなアルミをつくる場合の3%のエネルギーでつくることができる。エネルギーの節約とアルミスクラップの活用につながっている。アルマイト加工をしていないため、その分環境にも負荷を加えていない。